Story

邦歴716年。長らく荒れていた北邦は25年前に終結した統一戦により整備され、軍事力の強化に力を入れていた。

軍人として殉職した父を持つアーサーは兵役期間を終えた現在も防衛庁からの指令を請け負い生活している。

そんな彼は依頼をこなし帰還する途上、道に迷い途方に暮れていた。

幸い雪もなく静かな森の中、耳を澄ますと彼方よりやわらかな歌声が聴こえてくる。

人がいる、助かった―…そう思い声のする方へ歩を進めるとやがて木々はひらけ、目の前に小さな丘が現れた。

海を背景にぽつんと建っていたのは古ぼけた灯台。

近づくと歌声は止み、窓から亜麻色の髪の少女が顔を覗かせた。