Story

シェブールの山岳地帯に住む狩猟民族、アスワド族のルフは鷹のアキリを連れて集落の外れにある高台へ登るのが好きだった。

狩猟の腕は良い方ではなく、長い間座っての勉学も性に合わない彼はいわゆる落ちこぼれ。

緑豊かな南邦、そしてその先に坐する煌びやかな王都・グランサレムを眺める時間はルフにとって特別だった。

大人になったら王都で立派な職に就き、村の皆を見返してやりたい。だがそんな彼の夢はある日突然打ち砕かれる。

南邦皇子・レンガイが即位して以来、連日アスワドの集落を焼き討ちにしていた南邦軍がルフの住むカロマノアを襲ったのだ。

留守中で難を逃れたルフは黒い灰と化した故郷を前に打ちひしがれる。

憧れは憎しみへ。

レンガイへの復讐を誓い少年が向かった先は、無法者が集うギスクの反政府組織だった。