黄金都市と呼ばれる東邦。
そこでは代々邦皇家が特殊なトルクを受け継ぎ、その力を以て千載の繁栄を築いている。
第二親王であるミカフツは王位継承権の低さから東宮に籠る時間が少なく、国の為に刀を振るうことに生き甲斐を感じていた。
一太刀で大地を割るその姿は邦軍の中でも取り分け目立ち、畏怖と敬意を込めて人は彼を鬼殿下と呼んだ。
ある日ミカフツは父である邦皇から四方の視察を命じられる。
目的は攘夷勢力『峰崇』の制圧だった。彼はすぐさま愛刀を取り、数人の護衛士と共に都を出発する。
一方、ミカフツの出都を確認した東宮内部では何やら不穏な動きを見せ始めていた―