西邦編の主人公。西の最果てにある霊塔・カタコームを守護する扉道師。
反世の住人を左目に憑依させることでこの世に連れ戻し、共に未練を果たすことで天井へ送り出す。
穏やかな性格で趣味は料理。ある日カタコーム内部で行き倒れたツァイトを発見する。
反世の道先案内人。
カタコーム最上層にある扉『虚孔』の向こう側におり、訪れた扉道師はそこから反世までの暗闇をサティエイターに案内される。
通常であれば反世に着くまで四十九日かかると云われる中陰道の構造は彼にしか理解できないようだ。
ラザロ・バークス
ルシフェルに憑依する反世の住人。ブリュックヒルトの少年で、反世に来てからまだ日が浅い。
生前、家には出来の良い兄と姉がいたため自分に自信がなく、周りの反世人に比べるとさほど生に執着はないように見える。
左目の色は青色。踵を付けずにつま先立ちで歩くのが癖。
アグレア・バークス
ラザロの姉。幼い頃から成績優秀でピアノが得意。
皇都の大学へ進学が決まっていたが、ラザロの事件があり母親が塞ぎ込んでしまったため今は隣町で働いている。
実のところラザロが生まれる前に孤児院から引き取られた子ども。
ウィリアム・バークス
ラザロとアグレアの兄。首都・ダルクレッガーノの大学で単身勉学中。
自分よりも常に上の成績を収めてきた妹、親の愛情を一身に受けて育った弟とはあまり仲がよくない。
大学の後輩にはルシフェルの双子の弟・マイシェルがいる。
ネルガル・ディヒラー
扉道師の一人。白髪混じりで猫背気味、事ある毎に深いため息をついては周囲を苛立たせる人物。
いささか気の弱い性格で、自分の人生を悲観している。
ゼカリヤ・ギネス
ルシフェルに憑依する反世の住人。巨大な獣のミイラのような見た目をしている。
『空の穴』というマフィア組織の一人で生前は銃やナイフを振り回すような生活を送っていた。ルシフェルの身体ではすぐに息が上がってしまうとしばしば文句をたれる。
左目の色は茶色。憑依中にガニ股で歩かれるのがルシフェルの悩み。
ヘンドリック・ギネス
ゼカリヤの息子。現在は皇都の大学に通っている。父親とは対照的に真面目な好青年。
母親に進路や婚約者等を全て用意されているが特に苦でもない様子。裕福な家庭に育ち、求めなくても人が寄ってくるカリスマ性を持つが逆に自己主張の仕方を知らない。
アグレアとは初等部時代のクラスメイトで、お互いに良きライバルだった。彼女にとっては初恋の相手である。
マイシェル・アラスター
ルシフェルの双子の弟。大学に通っており、ヘンドリックの友人。
兄弟瓜二つだがこちらは勝ち気で身体を動かすことが好き。お互い暫く会っていないが、ルシフェルが扉道師になることには反対していた。
ゼカリヤは何故かマイシェルのことをよく知っているようだ。
テンダー
ルシフェルに憑依する反世の住人。反世では奇形を取る者ばかりの中、ほぼ完全な人型を保つ人物。かなり永い間反世に留まっているようだ。
生前から全盲だったらしく、それは扉道師に憑依している間も同じであるため憑依中も眼帯を外すことはない。人の位置や動きは察知できる。
杖の先端で微かに地面を触れながら歩く。